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2005年 11月 03日

2005年10月 『大喜久』@京都/北白川仕伏町 【京料理】

京都に来たら定番の京料理を・・・、というモチベーションでは無い。
食ったことの無い食材、料理を追求するマインドとして、
他の色々な食材、料理を食おうとするモチベーションと同じくして、初の本格的な京料理を。

街外れの便利とは言えないところに有るこちらの店、事前に予約を入れてこの旅の連れと2人での訪問。
わかりにくい場所とは聞いていたが、確かに「こんなところに店が??」というような場所。
こういう店での写真撮影は無粋ではあるが、
店の方に聞いたら快くOKして下さったのでいつも通りの写真付きレポート。
ドクター中松氏のイグノーベル賞で市民権を・・・・得てはいないとは思うけど。

予約したカウンターで食える1番安い5,250円のコース、まず最初の先附は梨の白和え。
酒は珍しく最初から日本酒にして、黒部卿の純米吟醸(800円)をチビチビと。

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とても静かな感じの一品。
何だか緊張をほぐして料理を食う態勢になって来る。

続いては前菜。
写真上から時計回りに胡麻豆腐、栗、生麩2点、そして・・・・。

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胡麻豆腐は非常に好きな食べ物なのだが、ここのは風味が強く濃厚で実に旨い。
生麩もネットリと重く、柚子の風味がきいていたりとなかなか。

驚いたのが1番左の1品。
口にするなり不思議な食感と共に玉子の黄身の濃厚さが口の中に広がって来た。
その見た目から甘い味を予想して最後に残しておいたのだが、印象を全く裏切る楽しい品。
玉子の黄身と何かを混ぜて固めたものかと思って聞いたら、玉子の黄身だけの品とのこと。
温度玉子云々言っていたが、熱の加え方1つでこんな料理が出来てしまうものなのか。
或いは自分が知らなかっただけで結構食べられる料理なのかもしれないけど。
とにかく味付けも、その意外性や適度に感じられる黄身の濃厚さも実に良い。

そして次は刺身、鯛の薄造り。

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鯛の薄造りって珍しいな、なんて思いつつ口にするとビックリ!!
薄造りにして供するのが納得できてしまうくらいの身の締まった歯応え、
そして噛み締めるほどに口の中に広がっていく旨味。
てっさを彷彿とさせながら、口の中に広がる鯛の旨味。
そう言えば食うのは山葵醤油じゃなくて、てっさと同様にポン酢風?のお店特製のタレ。
刺身はある程度熟成させた方が旨味が出ると聞くが、これはこの朝〆た鯛だそうな。不思議。
魚に金をかけて旨い刺身を食う機会が少ないことが大きいかもしれないが、
今まで食った鯛の刺身の中では出色と言って良いかも。

さあ、食うほどに楽しくなる食事は椀物へ。
登場してきたのは松茸の土瓶蒸し。

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さすがにこういう店だけあって、こういった汁物はしっかりと出汁がきいている。
まずはそのまま汁を頂き、その後カボスだか酢橘だかを絞って入れてみる。
椀物にこういう果実が合うのかと思っていたが、絞った後は味が良い意味で引き締まってさらに旨くなった。

松茸って高級イメージにつられての需要と、供給可能な量のバランスによって
さらに高級化されている「インフレスパイラル」的な食材と思っていて、値段に見合う程の旨さはあまり感じられない。
(とは言ってもそもそも国産の超高級モノなんて食ったことは無いが)
そういうこともあって自分から注文することの無い分、コースメニューの一品としてこの品を食えたのは良かったと思う。

続いての焼物は笹がれい。

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中骨と頭以外は全て食べられるこの魚、身は柔らかく、旨味はなかなかのもの。
身の部分も旨かったが、ヒレや尾の部分がまたとりわけ美味。
向こうではあちこちで干物とかが売られていた魚だが、東京でも旨いヤツが手に入ったりしないかな。

1つ1つの料理の隙の無さに驚きつつ、次の鉢物は「○○の吹き炊き寄せ」とかって言ってたっけな?
(○○の部分は失念)

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ちょっと品が無いけど、中の具をほじくり出して改めて。

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中は鰻、とろろ芋、生麩や椎茸が入ったあんかけ状の汁物で、鉢ごと蒸したとか言ってたか?
これがもう旨いの何の!!
和の出汁の風味が凝縮されたスープがとんでもなく旨いし、
本来の旨味がスープの中で蒸すことによってさらに濃くなったのでは?という鰻の旨さも凄い。
この店で食ったのはどの品も旨かったが、この品は中でもとりわけ気に入ってしまった。
まさに驚天動地の一皿。

そして続いてはご飯物と香物。
ご飯物は鯛めし。

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鯛と油揚げが入ったご飯は程良い固さの炊き加減が素晴らしい。
カウンター越しの料理長が「音で炊き具合がわかる」なんて言っていたが、これは確かに音でわかるのだろう。
噛み心地に満足しつつも「もうちょっと塩味が欲しいな」なんて思っていたらそこには香物が。

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この昆布や沢庵を口にし、その塩分でこの鯛めしを食す。
・・・・旨い!!
適度に残った塩気が満ち足りなさを埋め合わせるばかりか、鯛めしの旨さを増幅させる。
口の中で味を混ぜ合わせるこの食い方に米食文化の奥深さを思い知った。

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勿論、鍋底に残ったおこげの部分まで味わいつくし、1粒も残さず完食。

最後のデザートは5種の果物を使ったというシャーベット。

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このシャーベットも実に手の込み具合を感じさせる美味しさ。
ちなみに5種とはバナナ、オレンジ、梨、桃、パイナップルだそうな。

レポートの長さからも感じ取ってもらえると思うが、かなり満足度の高い食事となった。
形だけそれっぽく、観光客相手に高い金をふんだくるような店とは一線を隔すと言って良さそう。
5,250円と昼のコースとして大そうな値段ではあるものの、
こんなにコストパフォーマンスの高い食事にはそうそう巡り会うことは出来なかろうと思った程。
夜も含めて一流店を巡るような財力はないが、この金額なら1晩外飲みを我慢すればOKな範囲。
京料理自体初めてなので、まだまだ旨い店もあるのだろうが、
この日の昼、間違いなくこの店の京料理は自分を魅了した。

■お店のホームページ■
京料理 大喜久
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by ksk_com | 2005-11-03 16:50 | 外食 【和食・居酒屋系】


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